統計学 学習ノート

統計検定の4級から1級まで、出題範囲の順に記事と練習問題で学ぶ

準1級-4 応用統計の手法

変数変換

  • 変数変換
  • 確率変数の線形結合の分布
  • Box-Cox変換

はじめに

「対数をとったら分布が変わるって、どういうこと? データは同じなのに」

統計の本を読んでいると、「年収は対数をとって分析する」「比率は平方根をとる」といった話がよく出てきます。同じ人の年収なのに、対数をとっただけで、右に裾を引いていた分布が左右対称の山になります。

例えば、ゴムひもに等間隔で目盛りを打ち、一部分だけ強く引っ張ったところを想像してください。目盛りの間隔が広がったところでは、同じ長さの中にある目盛りの数が減ります。縮んだところでは増えます。目盛りの総数は変わらないのに、密度だけが場所によって変わるのです。

実は、確率変数の変換でも、これと同じことが起きています。確率の合計は1のままで、確率の濃さが場所によって変わります。この伸び縮みを計算する方法さえ分かれば、変換後の分布は機械的に求まります。

そこで登場するのが、今回の主役 変数変換 です。変数変換とは、確率変数 XX を関数で別の確率変数 Y=g(X)Y = g(X) に変えることです。

前回の記事では、分布を要約する特性値を学びました。今回の記事では、変換後の分布の求め方、線形結合の分布、そしてデータの形を整える Box-Cox 変換について解説します。

1変数の変数変換:伸び縮みを補正する

はじめに、確率変数が1つのときの変数変換について解説します。

変換後の分布を求める方法は2つあります。1つずつ見ていきましょう。

1. 累積分布関数から求める

いちばん確実なのは、累積分布関数を経由する方法です。「Y≤yY \le y」という事象を「XX の事象」に言いかえて、最後に微分します。

例えば、XX が (0,1)(0, 1) の一様分布に従うとき、Y=X2Y = X^2 の分布を求めます。0<y<10 < y < 1 で、次のようになります。

FY(y)=P(X2≤y)=P(X≤y)=y,fY(y)=12yF_Y(y) = P(X^2 \le y) = P(X \le \sqrt{y}) = \sqrt{y}, \qquad f_Y(y) = \frac{1}{2\sqrt{y}}

yy が0に近いところほど、確率密度が高くなっています。2乗すると0.1は0.01に、0.5は0.25になり、小さい値が0の近くに押し込められるからです。ゴムひもの縮んだところで、目盛りが密になるのと同じです。

2. 変数変換の公式を使う

gg が単調で微分できるなら、毎回この手順を踏まなくても、次の公式が使えます。

fY(y)=fX(x)∣dxdy∣,x=g−1(y)f_Y(y) = f_X(x)\left|\frac{dx}{dy}\right|, \qquad x = g^{-1}(y)

記号の意味は、x=g−1(y)x = g^{-1}(y) が「yy に対応する元の xx」で、∣dx/dy∣|dx/dy| が伸び縮みの補正です。言葉で言うと、「元の密度を yy の式に書きかえて、ゴムひもの伸び率で割り戻す」ということです。

なぜこの形になるのでしょうか? 小さな区間の確率は、変換しても変わりません。つまり fY(y) ∣dy∣=fX(x) ∣dx∣f_Y(y)\,|dy| = f_X(x)\,|dx| です。この式の両辺を ∣dy∣|dy| で割ると、公式が出ます。

具体的に見てみましょう。UU が (0,1)(0, 1) の一様分布に従うとき、Y=−log⁡(U)/λY = -\log(U)/\lambda の分布を求めます。

【公式の使い方】

  1. uu について解く: u=e−λyu = e^{-\lambda y}
  2. 微分する: ∣du/dy∣=λe−λy|du/dy| = \lambda e^{-\lambda y}
  3. 代入する: fU(u)=1f_U(u) = 1 なので fY(y)=λe−λyf_Y(y) = \lambda e^{-\lambda y}(y>0y > 0)

一様分布から指数分布が生まれました。一様乱数から指数分布の乱数を作るときに使う変換です。

せっかくなので、別の例も見てみましょう。X∼N(μ,σ2)X \sim N(\mu, \sigma^2) に対して Y=eXY = e^X とします。x=log⁡yx = \log y、∣dx/dy∣=1/y|dx/dy| = 1/y なので、次のようになります。

fY(y)=1y2πσ2exp⁡(−(log⁡y−μ)22σ2)(y>0)f_Y(y) = \frac{1}{y\sqrt{2\pi\sigma^2}} \exp\left(-\frac{(\log y - \mu)^2}{2\sigma^2}\right) \qquad (y > 0)

これが対数正規分布で、後の記事で詳しく学びます。

例題:単調でない変換

Z∼N(0,1)Z \sim N(0, 1) のとき、Y=Z2Y = Z^2 の確率密度関数を求めましょう。

【解き方】

  1. g(z)=z2g(z) = z^2 は単調ではなく、1つの y>0y > 0 に z=yz = \sqrt{y} と z=−yz = -\sqrt{y} の2つが対応する
  2. どちらの枝でも ∣dz/dy∣=1/(2y)|dz/dy| = 1/(2\sqrt{y})
  3. 2つの枝を足す。ϕ\phi は左右対称なので、fY(y)=2ϕ(y)×12yf_Y(y) = 2\phi(\sqrt{y}) \times \dfrac{1}{2\sqrt{y}}
  4. 整理する: fY(y)=12πy e−y/2f_Y(y) = \dfrac{1}{\sqrt{2\pi y}}\, e^{-y/2}(y>0y > 0)

これが自由度1のカイ二乗分布の確率密度関数です。2級で「標準正規分布の2乗の和」として学んだ分布を、式から導いたことになります。

試験のポイント:公式の絶対値を忘れないこと、yy のとる範囲を書くこと、単調でなければ枝ごとに足すことの3点を確認します。

以上が、1変数の変数変換についての解説です。

多変数の変数変換:ヤコビアンで面積を補正する

次に、確率変数が2つのときの変数変換について説明します。

(X,Y)(X, Y) を (U,V)(U, V) に1対1に変換するときも、考え方は同じです。補正の対象が、ゴムひもの長さから、ゴムシートの面積に変わります。この面積の伸び率が ヤコビアン JJ です。

fU,V(u,v)=fX,Y(x(u,v), y(u,v)) ∣J∣,J=det⁡(∂x/∂u∂x/∂v∂y/∂u∂y/∂v)f_{U,V}(u, v) = f_{X,Y}(x(u, v),\ y(u, v))\, |J|, \qquad J = \det\begin{pmatrix} \partial x / \partial u & \partial x / \partial v \\ \partial y / \partial u & \partial y / \partial v \end{pmatrix}

x(u,v)x(u, v) と y(u,v)y(u, v) は、変換を逆に解いた式です。JJ は偏微分を並べた行列の行列式です。

【多変数の変数変換の手順】

  1. x,yx, y を u,vu, v で表す
  2. ヤコビアンを計算する
  3. 同時確率密度関数に代入して ∣J∣|J| を掛ける
  4. (u,v)(u, v) のとる範囲を確認する
  5. 1つの変数の分布がほしいなら、もう片方を積分する

例題:指数分布の和と比

X,YX, Y は独立に、f(x)=λe−λxf(x) = \lambda e^{-\lambda x} の指数分布に従います。U=X+YU = X + Y、V=X/(X+Y)V = X / (X + Y) の同時分布を求めましょう。

【解き方】

  1. 逆に解く: x=uvx = uv、y=u(1−v)y = u(1 - v)。範囲は u>0u > 0、0<v<10 < v < 1
  2. ヤコビアン: J=v×(−u)−u×(1−v)=−uJ = v \times (-u) - u \times (1 - v) = -u なので ∣J∣=u|J| = u
  3. 代入する: fU,V(u,v)=λ2e−λu×uf_{U,V}(u, v) = \lambda^2 e^{-\lambda u} \times u
  4. 分ける: fU,V(u,v)=(λ2ue−λu)×1f_{U,V}(u, v) = (\lambda^2 u e^{-\lambda u}) \times 1

uu だけの式と vv だけの式の積になったので、UU と VV は独立です。VV は (0,1)(0, 1) の一様分布に、UU は fU(u)=λ2ue−λuf_U(u) = \lambda^2 u e^{-\lambda u} の分布に従います。この UU の分布は、形状のパラメータが2のガンマ分布です。「2回目のお客さんが来るまでの待ち時間」にあたります。

和だけがほしいときは、畳み込み という公式も使えます。X,YX, Y が独立なら、Z=X+YZ = X + Y の確率密度関数は次の式です。

fZ(z)=∫−∞∞fX(x) fY(z−x) dxf_Z(z) = \int_{-\infty}^{\infty} f_X(x)\, f_Y(z - x)\, dx

言葉で言うと、「X=xX = x のときに YY が z−xz - x である」という道筋を、すべての xx について足し合わせています。

例えば、X,YX, Y が独立に (0,1)(0, 1) の一様分布に従うとき、fZ(z)f_Z(z) は 0<z≤10 < z \le 1 で zz、1<z<21 < z < 2 で 2−z2 - z の三角形になります。サイコロ2個の和が7で最も出やすいのと同じ理由で、真ん中が最も濃くなります。

以上が、多変数の変数変換についての説明です。

確率変数の線形結合の分布

続いて、最もよく使う変換である線形結合について解説します。

線形結合 とは、aX+bYa X + b Y のように、確率変数に定数を掛けて足し合わせたものです。標本平均も、2群の差も、ポートフォリオの収益も、すべて線形結合です。平均と分散は、分布の形によらず次の式で求まります。

E[aX+bY]=aE[X]+bE[Y],V[aX+bY]=a2V[X]+b2V[Y]+2ab Cov[X,Y]E[aX + bY] = aE[X] + bE[Y], \qquad V[aX + bY] = a^2 V[X] + b^2 V[Y] + 2ab\, \mathrm{Cov}[X, Y]

変数がたくさんあるときは、行列で書くとすっきりします。確率ベクトル X\boldsymbol{X} の平均ベクトルを μ\boldsymbol{\mu}、分散共分散行列を Σ\Sigma とすると、次の式が成り立ちます。

E[a⊤X]=a⊤μ,V[a⊤X]=a⊤Σ aE[\boldsymbol{a}^\top \boldsymbol{X}] = \boldsymbol{a}^\top \boldsymbol{\mu}, \qquad V[\boldsymbol{a}^\top \boldsymbol{X}] = \boldsymbol{a}^\top \Sigma\, \boldsymbol{a}

具体的に見てみましょう。2級の例で、数学 XX は N(60,102)N(60, 10^2)、国語 YY は N(50,152)N(50, 15^2)、相関係数は0.5でした。共分散は 0.5×10×15=750.5 \times 10 \times 15 = 75 です。差 X−YX - Y は a=(1,−1)⊤\boldsymbol{a} = (1, -1)^\top の線形結合です。

V[X−Y]=(1−1)(1007575225)(1−1)=100+225−2×75=175V[X - Y] = \begin{pmatrix} 1 & -1 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} 100 & 75 \\ 75 & 225 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} 1 \\ -1 \end{pmatrix} = 100 + 225 - 2 \times 75 = 175

正の相関があると、差の分散は小さくなります。2人が同じ向きにぶれるので、差のぶれが打ち消されるのです。

では、分布の形はどうなるのでしょうか? ここで前々回のモーメント母関数が活躍します。X,YX, Y が独立なら、次の式が成り立ちます。

MaX+bY(t)=MX(at) MY(bt)M_{aX + bY}(t) = M_X(at)\, M_Y(bt)

X∼N(μ1,σ12)X \sim N(\mu_1, \sigma_1^2)、Y∼N(μ2,σ22)Y \sim N(\mu_2, \sigma_2^2) を入れると、指数の部分が足されて次の形になります。

exp⁡((aμ1+bμ2)t+(a2σ12+b2σ22)t22)\exp\left((a\mu_1 + b\mu_2)t + \frac{(a^2\sigma_1^2 + b^2\sigma_2^2)t^2}{2}\right)

これは正規分布のモーメント母関数です。したがって、独立な正規分布の線形結合は、また正規分布に従います。2変量正規分布のように相関があるときも、線形結合は正規分布に従います。とくに、標本平均は Xˉ∼N(μ,σ2/n)\bar{X} \sim N(\mu, \sigma^2/n) です。

このように、同じ種類の分布の和が同じ種類になる性質を 再生性 と呼びます。

【再生性をもつ分布(独立な和)】

  • 正規分布: 平均と分散が足される
  • 二項分布: 成功確率が同じなら B(m,p)B(m, p) と B(n,p)B(n, p) の和は B(m+n,p)B(m + n, p)
  • ポアソン分布: Po(λ1)Po(\lambda_1) と Po(λ2)Po(\lambda_2) の和は Po(λ1+λ2)Po(\lambda_1 + \lambda_2)
  • ガンマ分布: レートのパラメータが同じなら、形状のパラメータが足される(後の記事で学ぶ)
  • カイ二乗分布: 自由度が足される

例題:線形結合の確率を求める

通学の徒歩の時間 XX は N(10,12)N(10, 1^2)、電車の時間 YY は N(25,22)N(25, 2^2) で、独立です。合計時間が38分を超える確率を求めましょう。

【解き方】

  1. T=X+YT = X + Y は正規分布に従う。平均は 10+25=3510 + 25 = 35
  2. 分散は 1+4=51 + 4 = 5。標準偏差は 55 ではなく 5≈2.24\sqrt{5} \approx 2.24
  3. 標準化する: z=(38−35)÷5≈1.34z = (38 - 35) \div \sqrt{5} \approx 1.34
  4. 標準正規分布表から P(Z>1.34)≈0.090P(Z > 1.34) \approx 0.090

答えは約0.09です。足されるのは分散で、標準偏差ではないことに注意しましょう。

試験のポイント:「XX が YY を上回る確率」は、X−YX - Y の分布に直すと解けます。差の分散は引き算ではなく足し算(共分散の項は −2Cov-2\mathrm{Cov})です。

以上が、確率変数の線形結合の分布についての解説です。

Box-Cox変換:データの形を整える

最後に、データの形を整える変換を見ていきましょう。

ここまでは分布から分布を導きました。実際の分析では逆に、「右に裾を引いたデータを、正規分布に近づけたい」という場面があります。そのときに使う変換の家族が Box-Cox変換 です。正の値 yy に対して、次のように定義します。

y(λ)={yλ−1λ(λ≠0)log⁡y(λ=0)y^{(\lambda)} = \begin{cases} \dfrac{y^\lambda - 1}{\lambda} & (\lambda \ne 0) \\[2mm] \log y & (\lambda = 0) \end{cases}

λ\lambda は変換の強さを決めるつまみです。音量のつまみのように、回すと変換の効き具合が連続的に変わります。

【λ\lambda の値と変換の例】

  • λ=1\lambda = 1: 平行移動のみで、形は変わらない
  • λ=1/2\lambda = 1/2: 平方根に近い変換
  • λ=0\lambda = 0: 対数変換
  • λ=−1\lambda = -1: 逆数に近い変換

λ\lambda が小さいほど、大きな値を強く押し縮めます。

具体的に見てみましょう。データ1、4、9、16、100に λ=1/2\lambda = 1/2 を当てはめると、(y−1)/0.5(\sqrt{y} - 1)/0.5 で0、2、4、6、18となります。元は100だけ飛び抜けていましたが、差がずっと縮まりました。λ=0\lambda = 0 なら0、1.39、2.20、2.77、4.61で、さらに縮まります。

なぜ 11 を引いて λ\lambda で割るのでしょうか? それは、λ→0\lambda \to 0 の極限が log⁡y\log y になり、変換がなめらかにつながるからです。例えば y=4y = 4 で λ=0.01\lambda = 0.01 なら、(40.01−1)/0.01≈1.396(4^{0.01} - 1)/0.01 \approx 1.396 で、log⁡4≈1.386\log 4 \approx 1.386 に近い値です。

λ\lambda の決め方は、変換後のデータが正規分布に従うと仮定した最尤法が標準的です。尤度を求めるときは、今回学んだ伸び縮みの補正 ∣dy(λ)/dy∣=yλ−1|dy^{(\lambda)}/dy| = y^{\lambda - 1} を掛けます。対数尤度に (λ−1)∑log⁡yi(\lambda - 1)\sum \log y_i という項が入るのは、このためです。

ℓ(λ)=−n2log⁡σ^2(λ)+(λ−1)∑i=1nlog⁡yi\ell(\lambda) = -\frac{n}{2} \log \hat{\sigma}^2(\lambda) + (\lambda - 1) \sum_{i=1}^{n} \log y_i

定数の項は省いています。σ^2(λ)\hat{\sigma}^2(\lambda) は変換後のデータの分散の最尤推定量です。この ℓ(λ)\ell(\lambda) が最大になる λ\lambda を選びます。対数正規分布に従うデータなら、λ\lambda は0の近くになります。

Box-Cox変換の目的は、形を整えることだけではありません。回帰分析では、誤差の分散を一定に近づけるためにも使います。ただし、yy が0以下の値をとるときは、そのままでは使えません。また、変換後の結果は元の単位で読めなくなるので、解釈には注意が必要です。

試験のポイント:λ=0\lambda = 0 が対数変換に対応すること、y>0y > 0 が前提であることがよく問われます。

以上が、Box-Cox変換についての説明です。

細かい計算が分からなかったとしても問題ありません。ここでは、「変換で確率の合計は変わらず、濃さだけが伸び縮みの分だけ変わる」という点だけ押さえておきましょう。

今回のまとめ

それでは、今回の内容を振り返ります。

今回は変数変換について紹介しました。公式はいくつもありますが、やっていることは1つです。確率の量を保ったまま、物差しの伸び縮みの分だけ密度を補正しています。

今回のポイントを振り返りましょう。

振り返り

  • 変数変換の基本は、累積分布関数を経由する方法と、∣dx/dy∣|dx/dy| を掛ける公式。単調でなければ枝ごとに足す。
  • 多変数では、ゴムシートの面積の伸び率であるヤコビアンを掛ける。
  • 線形結合の平均と分散は、分布の形によらず式で求まる。分散には共分散の項が入る。
  • 正規分布の線形結合は正規分布。再生性はモーメント母関数の積で確かめられる。
  • Box-Cox変換はつまみ λ\lambda で強さを変える変換の家族で、λ=0\lambda = 0 が対数変換。

キーワードのおさらい

  • 変数変換: 確率変数を関数で別の確率変数に変えること。密度は伸び縮みの分だけ補正する
  • ヤコビアン: 多変数の変換で、面積や体積の伸び率を表す行列式
  • 確率変数の線形結合の分布: 定数を掛けて足した変数の分布。正規分布なら再び正規分布になる
  • 再生性: 同じ種類の分布の和が、同じ種類の分布に従う性質
  • Box-Cox変換: (yλ−1)/λ(y^\lambda - 1)/\lambda で定義され、λ=0\lambda = 0 で対数となる変換の族

さて、ここまでの計算は、nn が決まったときの正確な分布でした。でも、変換が複雑になると、正確な分布はもう求められません。そんなとき統計学は、「nn が大きいとどうなるか」という極限の世界に助けを求めます。

次回は、確率収束から中心極限定理、デルタ法までの「極限定理と漸近理論」について紹介します。

それでは、次の記事へ進んでいきましょう。

練習問題5問開いて挑戦する
問1. XX が (0,1)(0, 1) の一様分布に従うとき、Y=X3Y = X^3 の確率密度関数として正しいものはどれか。ただし 0<y<10 < y < 1 とする。
問2. XX が f(x)=e−xf(x) = e^{-x}(x>0x > 0)に従うとき、Y=XY = \sqrt{X} の確率密度関数として正しいものはどれか。ただし y>0y > 0 とする。
問3. 独立な確率変数 X∼N(5,4)X \sim N(5, 4)、Y∼N(3,9)Y \sim N(3, 9) について、2X−Y2X - Y が従う分布として正しいものはどれか。
問4. V[X]=4V[X] = 4、V[Y]=9V[Y] = 9、Cov[X,Y]=2\mathrm{Cov}[X, Y] = 2 のとき、V[X−2Y]V[X - 2Y] として正しいものはどれか。
問5. Box-Cox変換の説明として、最も適切なものはどれか。