4級-5 データの読み方の基礎
度数分布表 — データを集計する
- 度数分布表
- 度数
- 相対度数
- 階級
- 階級値
- 階級幅
- 累積度数
- 累積相対度数
- 度数分布表からの統計量の求め方
はじめに
「数字がずらっと並んでいるだけで、何も見えてこない……」
例えば、クラスの20人に通学時間(分)を聞いて、次のようなメモができたとします。
25, 12, 33, 7, 20, 18, 29, 15, 38, 24, 9, 30, 16, 27, 46, 22, 13, 35, 25, 19
このメモを見て、「どのくらいの時間の人が多いのか」がすぐに分かるでしょうか? なかなか難しいですよね。20個でこれなら、1,000個のデータでは手も足も出ません。
ここで、散らかった部屋を思い浮かべてみましょう。片付けの基本は、引き出しを用意して、種類ごとにしまうことです。「靴下はここ」「シャツはここ」と分けて、各引き出しの数を数えれば、持ち物の全体像が見えてきます。
実は、数字のデータも同じように片付けられます。値を区間ごとの引き出しに分けて、中身を数えるのです。
そこで登場するのが、今回の主役 度数分布表 です。
前回の記事では、いろいろな統計グラフの使い分けを見ました。今回の記事では、グラフのもとになる度数分布表の作り方と、そこから情報を読み取る方法について解説します。
度数分布表の作り方
はじめに、度数分布表の作り方について解説します。
度数分布表 は、データをいくつかの区間に分けて、それぞれの区間に入る個数をまとめた表です。冒頭の通学時間を10分ごとに分けると、次のようになります。
| 階級(分) | 階級値(分) | 度数(人) |
|---|---|---|
| 0以上10未満 | 5 | 2 |
| 10以上20未満 | 15 | 6 |
| 20以上30未満 | 25 | 7 |
| 30以上40未満 | 35 | 4 |
| 40以上50未満 | 45 | 1 |
| 合計 | 20 |
これだけで、「20分台の人が一番多く、40分以上は1人だけ」と読み取れるようになりました。
この表には、大切な用語が4つ出てきます。1つずつ見ていきましょう。
【度数分布表の用語】
- 階級: データを分ける区間。引き出しのこと
- 階級幅: 区間の幅。引き出しの大きさのこと
- 度数: それぞれの階級に入るデータの個数。引き出しの中身の数のこと
- 階級値: 階級の真ん中の値。引き出しの名札のこと
階級幅は、階級の上の端から下の端を引いて求めます。今回は 10 − 0 = 10 なので、階級幅は10分です。
階級値は、階級の両端の平均です。20以上30未満の階級なら、(20 + 30) ÷ 2 = 25 で、階級値は25分です。
ここで注意が必要なのが、「以上」と「未満」です。「以上」はその値を含み、「未満」はその値を含みません。メモの中の20分の人は、10以上20未満ではなく、20以上30未満の階級に入ります。同じように、30分の人は30以上40未満の階級です。
試験のポイント:階級の境目の値は「以上」のほうの階級に入ります。数え間違えやすいところです。
作るときの手順は、次のとおりです。
【度数分布表の手順】
- データの最小の値と最大の値を確かめる
- 階級幅を決めて、階級を作る
- 1つずつ値を見て、入る階級に印を付けて数える
- 度数の合計が、データの個数と同じになるか確かめる
最後の確かめが大切です。合計が20にならなければ、どこかで数え間違えています。
以上が、度数分布表の作り方についての解説です。
相対度数:全体の中の割合を見る
次に、相対度数について説明します。
相対度数 は、それぞれの度数が全体に占める割合です。公式で書くと、次のようになります。
通学時間の20以上30未満の階級なら、度数が7で合計が20なので、7 ÷ 20 = 0.35 です。つまり、全体の35%がこの階級にいます。相対度数をすべて足すと、必ず1になります。
では、なぜ割合に直すのでしょうか? それは、人数の違うグループを比べるためです。
具体的に見てみましょう。ある階級の度数が、20人の1組では7人、40人の2組では12人だったとします。人数だけなら2組のほうが多いですが、1組の相対度数は 0.35、2組の相対度数は 12 ÷ 40 = 0.30 です。全体の中の割合で見ると、1組のほうが高いことになります。
ちょうど、バスケットボールのシュートの成績のようなものです。10本中7本の選手と、20本中10本の選手では、決めた本数は後者が上でも、成功率は前者が上です。
以上が、相対度数についての説明です。
累積度数と累積相対度数
続いて、累積度数と累積相対度数について解説します。
累積度数 は、最初の階級からその階級までの度数を足し合わせた値です。累積相対度数 は、最初の階級からその階級までの相対度数を足し合わせた値です。累積度数を度数の合計で割っても、同じ値になります。
「累積」は積み重ねるという意味です。貯金箱に毎月お金を入れていくと、今月の分だけでなく、これまでの合計が気になりますよね。その「これまでの合計」にあたるのが累積度数です。
通学時間の表に、これらを付け足してみましょう。
| 階級(分) | 度数 | 相対度数 | 累積度数 | 累積相対度数 |
|---|---|---|---|---|
| 0以上10未満 | 2 | 0.10 | 2 | 0.10 |
| 10以上20未満 | 6 | 0.30 | 8 | 0.40 |
| 20以上30未満 | 7 | 0.35 | 15 | 0.75 |
| 30以上40未満 | 4 | 0.20 | 19 | 0.95 |
| 40以上50未満 | 1 | 0.05 | 20 | 1.00 |
| 合計 | 20 | 1.00 |
累積度数の列は、2、2 + 6 = 8、8 + 7 = 15 のように、上から足していきます。最後の階級の累積度数は度数の合計と同じ20になり、累積相対度数は必ず1になります。
累積度数の便利なところは、「〜未満の人は何人か」にすぐ答えられることです。例えば、30分未満の人は、20以上30未満の行の累積度数を見るだけで、15人と分かります。
例題:表から読み取る
この表を使って、次の2つに答えましょう。
- 通学時間が20分未満の人の割合はいくらか
- 通学時間が30分以上の人は何人か
【解き方】
- 10以上20未満の行の累積相対度数を見る: 0.40 なので40%
- 全体から30分未満の人を引く: 20 − 15 = 5 なので5人
答えは、40%と5人です。2つ目は、度数を足して 4 + 1 = 5 としても同じです。
試験のポイント:累積度数は「その階級の上の端より小さい人数」を表します。「以上」を聞かれたら、全体から引くと速く解けます。
以上が、累積度数と累積相対度数についての解説です。
度数分布表からの統計量の求め方
最後に、度数分布表からの統計量の求め方を見ていきましょう。
統計量とは、データの特徴を表す数値のことです。平均値、最頻値、中央値が代表です。この3つはこの後の記事で詳しく学びます。ここでは、平均値は全部を足して個数で割った値、最頻値は最も多い値、中央値は小さい順に並べた真ん中の値、と思ってください。
度数分布表にまとめると、元の1つ1つの値は見えなくなります。そこで、同じ階級の人は全員、階級値の値だったと考えます。引き出しの中身を、すべて名札の値とみなすわけです。
1. 最頻値
度数分布表の最頻値は、度数が最も大きい階級の階級値です。今回は20以上30未満の度数7が最大なので、最頻値は25分です。度数の7を答えないように注意しましょう。
2. 中央値
中央値は、累積度数を使って、真ん中の人がいる階級を探します。20人なので、真ん中は10番目と11番目の人です。累積度数は、20分未満までで8、30分未満までで15なので、10番目と11番目はどちらも20以上30未満の階級にいます。したがって、中央値が入る階級は20以上30未満です。
3. 平均値
平均値は、次の式で計算します。
階級値と度数を階級ごとにかけ算して、全部足してから、度数の合計で割ります。
例題:度数分布表から平均値を求める
通学時間の度数分布表から、平均値を求めましょう。
| 階級値 | 度数 | 階級値 × 度数 |
|---|---|---|
| 5 | 2 | 10 |
| 15 | 6 | 90 |
| 25 | 7 | 175 |
| 35 | 4 | 140 |
| 45 | 1 | 45 |
| 合計 | 20 | 460 |
【解き方】
- 階級ごとに、階級値 × 度数を計算する
- 全部足す: 10 + 90 + 175 + 140 + 45 = 460
- 度数の合計で割る: 460 ÷ 20 = 23
答えは23分です。元のメモの20個から直接計算すると、平均値は23.15分です。少しズレますが、かなり近い値になっていますね。階級値で代用しているので、このような小さなズレは生じます。
以上が、度数分布表からの統計量の求め方についての説明です。
細かい計算を忘れてしまっても問題ありません。ここでは、「同じ階級の値は、すべて階級値とみなす」という点だけ押さえておきましょう。
今回のまとめ
それでは、今回の内容を振り返ります。
今回はデータを階級という引き出しに分けて数える、度数分布表について紹介しました。ばらばらの数字も、区切って数えるだけで、全体の様子が見えてきます。さらに、割合に直せば比べられるようになり、積み重ねれば「〜未満は何人か」にすぐ答えられます。
今回のポイントを振り返りましょう。
振り返り
- 度数分布表は、値を階級という引き出しに分けて、中身の数を数えた表。
- 階級の境目の値は、「以上」のほうの階級に入る。
- 相対度数は全体の中の割合。人数の違うグループを比べられる。
- 累積度数は、最初の階級からの積み重ね。「〜未満は何人か」が分かる。
- 平均値は「階級値 × 度数」の合計を度数の合計で割って求める。
キーワードのおさらい
- 度数分布表: データを階級に分け、度数をまとめた表
- 階級: データを分ける区間
- 階級幅: 区間の幅
- 階級値: 階級の真ん中の値
- 度数: それぞれの階級に入るデータの個数
- 相対度数: 度数を度数の合計で割った値
- 累積度数: 最初の階級からその階級までの度数の合計
- 累積相対度数: 最初の階級からその階級までの相対度数の合計
さて、度数分布表のおかげでデータは片付きました。でも、数字の表のままでは、データの全体の形はまだ見えにくいですよね。
次回は、度数分布表を柱の形で描く「ヒストグラム」について紹介します。
それでは、次の記事へ進んでいきましょう。